たまにライトノベル

2022年ライトノベル11選

今年は本当に大してライトノベルの新作を読めてないのもあって最悪7選とかで書こうかと思ってたんだけど区切りのいい数字で書けることにホッとしてる。

と思ったけどこの年間まとめはこのライトノベルがすごい!を意識していてるから俺がただ好きなものを入れることには主義に反する訳だ(入れないとは言ってない)そう考えたときに今年はどうしても個人の嗜好を抜きにして無視できない一作があるわけで11選という中途半端な数字になってしまった。

決してサッカーのワールドカップがやっていたからこんな数字になったわけではない!!!!!!

このタイトルを見て「お、サッカーの影響かな?」とか思った人間がいるのなら反省して欲しい。ライトノベルを好んで読む人間がサッカーなんて好きなわけないんだから(偏見)(笑ってやってください)(嘘笑うなサッカーを憎め)

 

それじゃあ、やっていきます

 

 

 

 

ココロコネクト庵田定夏が贈る、真夜中の「東大受験」ストーリー!

真面目すぎると言われる高校生、真嶋正太は夜が好きだ。
田舎の小さな町で、身の丈にあった「普通」を過ごす日々。
でも夜はそんな自分でいなくてもいい、そう思っていた。
ところがとある真夜中、こっそり侵入した「夜の教室」でいつも寝てばかりのクラスメイト・月森灯に出会ってから彼の人生は変わり始める。
彼女曰く、勉強は全てを変えられるというのだ。
勉強は世界に通じている。不可能を可能にする。こんな町からも外に出られる。
「もちろん、明日のテストでも簡単に満点をとれるわ」
「えっ!?!?!?」
これは、夜から世界に挑む物語。真夜中×女子高生×勉強の新世代受験ストーリー、開幕!

 

頑張れば夢は叶うって言葉が本当に嫌いで、世の中にはどうしようもなく才能ってある。それは勉強だってそうだと思うし、それでも夢を追う人間を真摯に東大受験って側面からやってくれたこの物語が好きなんだ。社会から外れてしまった人間を描くのに夜の学校って設定はかなり作用するなぁと思いながら読んでましたね

 

 

 

ヤンデレ気味な幼馴染・三城紗弥花に手を焼きながらも、國枝春季はつつがなく高校生活をスタートさせていた。しかしある日、春季は同級生の千崎優紀に紗弥花との関係をからかわれ、あげくにキスまで迫られる。おまけにその様を紗弥花に目撃され怒らせてしまう。誤解を解こうと迎えた翌朝、紗弥花はなぜか二人に分身していた! 両手に花ながら互いに妬み合う紗弥花らに振り回される中、今度は優紀の性別が男に変わったと知ってさらに困惑! 怪現象の謎を追い始めた春季は、優紀が暮らす寺院の"枯れない彼岸花"の伝承が関係していると知り――。徒花の不可思議な力に魅入られた少年少女を巡る新時代の恋愛伝奇ミステリー!!

 

テーマから読み解くのもミステリ部分から読み解こうとしてもこの二つが絡み合ってしまう。これはかなり完成度が高くないと起こらない現象だと思う。全てがハマってるライトノベルだ。伝奇とミステリのオタクに

 

 

 

その恋心だけは、あの夏で凍ったままーー。

真夏に突如現れた巨大な氷山が騒動になる中、三浦半島にある高校に通う進たちは、鬱屈とした夏休みを送っていた。
かつては仲の良いグループだった進と羽と一輝だが、一年前のある事故が原因で、今はぎこちない関係が続いている。

幼馴染を一時的に失い、無力感に苛まれる進。
外見は美人で男子からも人気があるが、弱く、ずるく、そしてそれを人のせいにしてしまう自分が好きになれない羽。
秀才で文武両道の優等生だが、自身ではどうすることもできない悩みを抱える一輝。

ある夜、氷山の現れた海岸で進は一人の少女と出会う。身元の分からない謎の少女は、一年前の事故以来、昏睡から醒めない進の幼馴染とそっくりで……。
少女の正体が分からないまま、「楽しい夏を過ごしたい」という少女の希望を叶えるため、進たちは奔走することに。
しかし、氷山出現の秘密が明らかになるにつれ、進たちの手には負えない大きな力が少女に迫る。

少女を元いたところに帰すためーー。
それぞれの淡い恋心や悩みを抱えたまま、進たちは氷山を目指す。

 

百合です。不意打ちの百合が好きでこれがそうだったからそこネタバレすんのかよって気持ちあるけど言わないと読まねぇだろ、オタク。あの花や夏への扉シンゴジラを意識した百合です、はい。友愛よりの百合なんです。SF青春ものってありふれてるけどやっぱり王道だし面白いよねってこと!

 

 

 

高校三年生の関数馬は、理系なのに大の数学音痴。一方で、憧れのクラスメイト・有理は「数学の女王」と呼ばれる才媛。彼女には、「自分より数学ができる人としか付き合わない」という噂も……!

有理とデートするチャンスを得た数馬の前に立ち塞がる期末試験。藁にもすがる思いで、数学の神様がいるという神社を訪れる数馬。夕日が世界を赤く染める時、必死の願いに応える声が響く――。

「ねぇ、数学が得意になりたいの?」

謎の天才中学生・環に数学を習う中、近づいていく有理との距離。そんな数馬の前に現れた、もう一人の天才美少女の目的とは――?

第12回講談社ラノベ文庫新人賞<優秀賞>は異色の数学ラブコメ

 

こーれマジでよく出来てます。まあ数学の天才である幽霊が主人公に数学を教えるってのは数学版ヒカルの碁といえばそうなんだけど、数学における回答の過程に対する式の美しさを物語に対しても応用してるのがまー凄いよ。オチで"作品が完成された"という感覚は今年一番だと思う

 

 

 

世界の時間が止まるとき、二人の旅が始まる。

麦野カヤトは、高校の修学旅行で北海道の函館を訪れていた。
内気で友達のいない彼にとって、クラスメイトたちとの旅行は苦痛でしかない。
それでも周りに合わせてグループ行動を続けていた、そのとき。

世界の時が止まった。

まるで神様が停止ボタンを押したみたいに、通行人も、車も、鳥も、自分以外のあらゆるものが静止した。
喧騒が消え、静寂だけが支配する街のなか、
動ける人間は麦野カヤトただ一人……かと思いきや、もう一人いた。
地元の不良少女・井熊あきら。

「あんま舐めたこと言ってたらぶっ殺すかんな」

口調も性格もキツい彼女は、麦野とは正反対のタイプ。
とはいえ、この状況では自分たち以外に動ける者がいない。やがて二人は行動を共にする。

琥珀の世界」ーー数日前に死んだ麦野の叔父が、そう呟いていたことを麦野は思い出す。
叔父の言葉は、世界の時が止まったことに関係しているかもしれない。
そう思い立った二人は、時を動かす手がかりを求めて、叔父の家がある東京を目指す。

時が止まった世界のなか、二人きりの旅が始まった。

 

恥ずかしながら今年夏トンの映画見たのとこれを読んでようやく八目迷の季節シリーズ?が同じテーマを包括した作品であることに気づいた訳なんですが、エンタメ抜きにしたらこれが一番よく出来てると思いますね。傷ついている学生を前に向かせるためにSFとして時間を提供するの優しさが溢れてるよ。時間は平等だけど若い時の三年間なんてあっという間に過ぎ去ってしまうんだから

 

 

 

ねえ、2人で《世界の最深部》へ行こう

都内の高校に通う佐島ルイは学校にも家の中にも漠然とした居心地の悪さを感じていた。心を落ち着かせられるのは真夜中の歩道橋だけ。そこで、同じ学校に転校してきた卯木リョウマと出会う。彼と話している時は不思議と息苦しさが和らいだ。多分彼も同じ息苦しさを感じていたから。「俺はさ、《世界の最深部》を見てみたいんだ」彼が語る言葉はすっとルイの心に入ってくる。このまま二人でいれるなら、灰色のつまんない世界も捨てたもんじゃない、そう思えた。でもそれは、ある日リョウマが拾ってきた拳銃が一変させる。「ねえ、リョウマ。一緒に《世界の最深部》を探しにいこっか」

 

主人公がダンスを踊ってて文章のリズム感が良いの洒落が効いてて好きでしたね。話自体はめちゃくちゃで男女が拳銃を拾ってセカイについて語ってる。そういうことです、はい。男側がIWGP池袋ウエストゲートパーク)が好きだったり的確に俺が気持ちよくなる部分を常に突かれ続けた結果気持ちいい以外の感情しかほぼ残ってないけど多分面白いと思いますよ

 

 

 

登場する女子、全員、愛が重たすぎ!

小さくて、細くて、色が白くて、気が弱くて…本当はもっと男っぽくなりたい僕・森崎衛。日曜の朝は必ず、姉の凛に女装させられて写真を撮られて「可愛い。愛してる」とか言われてSNSに投稿させられる。つらい。僕が想いを伝えられないうちに彼氏を作ってしまった幼馴染の瑞希。なのになぜか思わせぶりな目つきで僕に身体を寄せてくる。つらい。そんな僕の前に、従妹の京子がアイドルの仕事を突然やめて東京から帰ってきた。「つきあおう」って…何言い出すの??何のつもり??

人生がつらすぎる衛くんは、愛が重たすぎる少女たちに包囲されている!そして、その包囲網はものすごい速さで狭くなりつつある!!これは、愛が重たい少女たちによる仁義なき恋の戦いの物語。

 

今年始まったラブコメだと一番良い。虐待描写はあるしヒロインの家庭環境も悪いはで閉塞感で押しつぶされそうになる。『少年のアビス』は重いけど笑える部分も存在するのに対してこれは軽いけど笑えない。しんどいのが好きなら是非読んでほしい。相当しんどいので。

 

 

 

これは、涙で始まり、涙で終わる物語。

全身が塩に変わって崩れていく奇病「塩化病」。その病で母親を亡くした少年・三枝八雲は、小学校の音楽室でひとりの少女と出会った。

美しく天才的なピアノ奏者であるその少女の名は、五十嵐揺月。鍵盤に触れる繊細なその指でいじめっ子の鼻を掴みひねり上げ、母親の過剰な期待に応えるべく人知れず努力する。さまざまな揺月の姿を誰よりも近いところから見ていた八雲は、我知らず彼女に心惹かれていく。

小学校を卒業し、ますます美しく魅力的に成長した揺月は、人々の崇拝と恋慕の対象となっていった。高校に進学する頃、すでにプロのピアニストとして活躍していた揺月はイタリアへと留学してしまう。世界を舞台にする揺月と、何者でもない自分との間にある圧倒的な差を痛感した八雲は、やがて小説を書き始める。

揺月との再会はある日唐突に訪れた――その再会が、自分の運命を大きく変えるものになることをその時の彼は知る由もなかった。

これは、涙で始まり、涙で終わる物語。

 

感動できると評判です

 

 

 

すれ違う恋と、掛け違う推理。第27回スニーカー大賞《銀賞》受賞作!

学生という生き物は、日々「わからないこと」の答えを探している。
明日のテストの解答、クラス内の評判、好きなあの子が好きな人。
かく言う僕・竹久優真も、とある問いに直面していた。
消しゴムに書かれていた『あなたのことが好きです』について。
それは憧れの文学少女・若宮雅との両想いを確信した証拠であり、しかしその恋は玉砕に終わった。
つまり他の誰かが?
高校に入学した春、その“勘違い”は動き出す。
「ちょうどいいところにいた。ちょっと困っていたとこなんだよ」
太陽少女・宗像瀬奈が拾い集めてくる学園の小さな謎たち――
それらは、いくつもの恋路が絡みあう事件《ミステリー》だったんだ。

 

乙一(敬称略)の推薦文にも書いてあったけど失恋の痛みと癒しを綴ったってのはこの作品のキモだと思うが重要なのはそれを体感してなくても幻視出来るレベルで練り上げられているところでしょうね。青春もの好きじゃねぇよって人間に読んでみて欲しいおもしろ青春ライトノベルです。

 

 

 

新たなダメ人間は――ビリギャル?

「マジで留年あるよ、コレ」「は? ……え、ガチすか?」「いやガチで」

成績が悪すぎて職員室に呼びだされた狭山は、はやくも人生が詰みかけていることを知る。

そんなとき、特別生徒相談室に現れたのは、学歴コンプ持ちのビリギャル――仲里杏奈。
狭山とは、補習クラスの腐れ縁である。

案の定、藤崎に目を付けられ、ふたりして留年回避プロジェクトに挑むのだが――?

勉強ができないやつは、落ちこぼれのダメ人間ですか? 

クズ、無気力、電波、ビリギャル……はぐれ者たちが織りなす“痛”青春ラブコメ、まさかの第2弾!

 

二巻出すのに五年空いてたらしいので新作ですね。レギュレーション違反にはあたりません。ええ。五年前と言えば『弱キャラ友崎くん』全盛期で当時は「俺ガイルのフォロワーが今さらでてもなぁ」ぐらいの精神で読んでなかった。結果的に今年二冊連続で読めたので良かったです。俺ガイルがなかったら存在しない物語ではあるけど、俺ガイルの劣化であるようにこの作品を捉えるのはあまりに両作品に対する読みが浅いように思える。負けた人間に対する熱量はこっちの方が断然上なので。後『カラマーゾフの兄弟』が引用されてるの俺的にポイント高い(オタクくん俺ガイルが絡むと早口になるね)

 

 

 

世界は終わる。先はない。それでも人は恋をする――

終わりゆく世界を前に、少女は願う。

かつて英雄(あの人)が愛し、そして救った世界。余命はおよそ一年。
たとえ、私が死ぬことでしか世界が救われないとしても――。
「大咲空さん。どうか、お願いします。この世界を救ってもらえませんか?」
「あなたはかつて、この世界を救った『英雄の生まれ変わり』なんです」

終わりゆく世界を前に、少年は自問する。

 

泣ける話が好きだっていうと浅い感じが出るけど実際浅い人間なので泣ける話が好きなんですよね。話は『さくら、もゆ』の方が面白いけど文章はこっちの方が良かった。この作者さんの冗長な文章好きではなかったが、今回みたいに泣ける場面ピンポイントで使われると馬鹿みたいに泣けたなぁ……

異世界転生?とはちょっと違うけど前世で自分の人生を肯定できなかった人間が異世界で人生を肯定するの好きすぎて、愛

 

 

 

なんだかんだ今年のライトノベル(新作)もおもしろかったですね。

 

 

↓真ライトノベルランキング↓

 

 

 

一位 りゅうおうのおしごと!

二位 わたし、二番目の彼女でいいから。

三位 楽園ノイズ

四位 負けヒロインが多すぎる!

五位 青春絶対つぶすマンな俺に救いはいらない。

六位 もしも明日、この世界が終わるとしたら

七位 ミモザの告白

八位 衛くんと愛が重たい少女たち

九位 僕らは『読み』を間違える

十位 変人のサラダボウル

 

 

上三つ(りゅうおうのおしごと!抜き)マジで安定感凄い。ミモザもそうだけどここ二年ぐらいで始まったシリーズ安定して面白いの多いよ。良いことだね。

『わたし、二番目の彼女でいいから。』は安定もそうだけど今年は化けたんじゃないかな。あまりにWA2を前提としてる作品なのは少しもったいなくも感じるが。ぶっちゃけ排除アートの下りとか思いっきりWA2を揶揄してるんだが読んでなかったら絶対に分からないんだよな。そこが分かるとこの作品の根幹が現れて絶叫できるんだけど。まあ他にもネタ仕込みまくってるから一つ分からなくても問題ない作りにはするつもりなんだろうけどね。

 

去年の10選では最後に屋久ユウキ先生のこのラノ一位を応援してたけど友崎くんどころかラムネが一位獲れなかったのは結構衝撃だったな。

このラノ(表)が殿堂入りシステムをちゃんと使ってるので俺もそろそろりゅうおうのおしごと!の追放を視野に入れていきます!

 

それではまた来年