たまにライトノベル

2020年ライトノベルランキング10

やる。

 

今年はシリーズもので期待できそうなのが去年に比べると少なかったような気はします。なので結構偏ったランキングになりました。まあ、そもそもファンタジーほとんど読まないのが原因なんですけど......

 

それじゃ10位からやってきますけど最後に新作だけじゃないランキングの方も載せときます。

 

 

 

 

 

ボクは再生数、ボクは死

ボクは再生数、ボクは死

  • 作者:石川 博品
  • 発売日: 2020/10/30
  • メディア: 単行本
 

現実を凌駕するVRエロス&バイオレンス!

世界一の美少女になるため、俺は紙おむつを穿く――。

しがない会社員の狩野忍は世界最大のVR空間サブライム・スフィアで世界最高の美少女シノちゃんとなった。
VR世界で恋をした高級娼婦ツユソラに会うため、多額の金銭を必要とするシノは会社の先輩である斉木みやびと共に過激で残酷な動画配信を行うことで再生数と金を稼ぐことを画策する。
炎上を繰り返すことで再生数を増やし、まとまった金銭を手にしたシノはツユソラとの距離を縮めていくのだが、彼女を取り巻く陰謀に巻き込まれていき――!?

 

10位

 

Vtuberという言葉をご存じだろうか?バーチャルなユーチューバーである。昨今ではインターネットで素人が当たり前のように動画を投稿したり生放送をしたりする時代であり『ボクは再生数、ボクは死』では主人公がVR風俗に通い詰めるため配信者になる。そんなところから物語が始まる。そこで重要になってくるのがVtuberである。この作品ではVtuberという言葉は出てこないが、最も重要な要因と言っても過言ではないと思う。歪な愛の物語が好きな人にオススメです。

 

 

 

 

 「おにーさん、助けてくれたお礼に、定時帰り、させてあげよっか」
ブラック企業で終電帰りの日々を送る会社員・史樹。ある夜、路上にうずくまっていた女子高生・穂春を家に泊めることに。穂春はそのお礼にと、史樹の仕事上のトラブルをたちどころに解決してみせた。
どうしても定時帰りしたい史樹と、身を寄せるところを探していた穂春。史樹は衣食住を提供する代わりに、穂春のアドバイスに頼ることにする。
「人は先に親切にされると、お返ししなきゃって思う生き物なんだよ」
二人の同居生活が始まると同時に、史樹の社畜生活は一変するのだった。
サラリーマンとJKの、温かくも奇妙な同居生活ラブコメディ、開幕。

 

9位

 

JKを拾って恋愛しちゃおうライトノベル。それなりに流行っているジャンルなんだけど明確に二つ違うところがあって、一つがヒロインが庇護の対象ではないということ。もう一つが疑似家族ものとしての成分が強いということ。この二つのおかげでこの手のジャンルに苦手意識を持っている人にもかなり読みやすい作品になっていると思うのでその手のジャンルが嫌いな人にこそ読んでほしいですね。

 

 

 

イギリスのブリストルに留学中の大学生ヨシは、バイト先の店頭で“落書き”を発見する。それは、グラフィティと呼ばれる書き手(ライター)の意図が込められたアートの一種だった。
 美人だけど常に気怠げ、何故か絵には詳しい先輩のブーディシアと共に落書きの犯人探しに乗り出すが――
「……ブー? ずっと探していたのよ」
「ララか。だから会いたくなかったんだ!」
「えーと、つまりブーさんもライター」
 ブーディシアも、かつて〈ブリストルのゴースト〉と呼ばれるグラフィティの天才ライターだったのである。

 グラフィティを競い合った少女ララや仲間たちと、グラフィティの聖地を脅かす巨大な陰謀に立ち向かう挫折と再生を描いた感動の物語!

 

8位

 

グラフィティという珍しいものを扱ったライトノベル。作者が実際にブリストルに住んでいたのもあって確かな知識量と描写で描かれている。もちろんこれだけでも面白くはあるのだがこの作品の本質的な部分の面白さはグラフィティのくだらなさと向き合っているところにある。金にもならなく犯罪行為で大多数の人間からは煙たがられるそんな

くだらないものを何故やる?この作品では様々な理由でグラフィティをやっている人間がいる。話はどんどん大きくなり芸術論、人生といったテーマにまで行きつく。

くだらないものを必死に抱えて生きている僕たちに一つの解答を示してくれるライトノベル

 

 

 

楽園ノイズ (電撃文庫)

楽園ノイズ (電撃文庫)

 

出来心で女装して演奏動画をネットにあげた僕は、謎の女子高生(男だけど)ネットミュージシャンとして一躍有名になってしまう。顔は出してないから大丈夫、と思いきや、高校の音楽教師・華園美沙緒先生に正体がバレてしまい、弱みを握られてこき使われる羽目になる。
 無味無臭だったはずの僕の高校生活は、華園先生を通じて巡り逢う三人の少女たち――ひねた天才ピアニストの凛子、華道お姫様ドラマーの詩月、不登校座敷童ヴォーカリストの朱音――によって騒がしく悩ましく彩られていく。
 恋と青春とバンドに明け暮れる、ボーイ・ミーツ・ガールズ!

 

7位

 

あらすじを読むと青春もののように思えるがこの作品の本質は音楽への愛。作家も年を取ると若い作品を書くのが苦しくなってくるとは聞くが『楽園ノイズ』に関してはいい方向になったんじゃないかなと思っている。だからこそこの作品をさよならピアノソナタの二番煎じや焼き直しというのは違う。例えそれが作者が言っていようとも。ライトノベルで魂が震えるような文章を読みたいなら今年はこれです。読んでください。

 

 

 

この身が滅びようとも、佳乃を救いたい――。だけど、

《それだけを願っても救われないことは分かっていた》

花菱准汰の日常は、起きる⇒学校へ行く⇒遊ぶ⇒寝る。ただそれだけ、省エネで適当であることは彼らしさだった。渡良瀬佳乃は真逆。作業BGMでも、この作業に聴く音楽コレ、食べ物のベスト温度はコレと超が付くほどのこだわり派。
そんな2人はとある補修を通じて出会い、恋にも似た感情を抱くようになる。が、佳乃は謎の奇病に伏すことに。……しかし、奇跡は起きた。彼と彼女は他人となり、性格も変更され、生きることが許された。

――両思いが故にすれ違うことを選んだ、最高に美しくも儚い命の物語。

 

6位

 

身も蓋もない言い方をするなら君の名はっぽい話。中盤ぐらいまでの期待感が凄くてどこまで行くんだ!?となったけど今いち伸び切らなかった印象はある。書きたいことが多かったのか話がとっ散らかってたんだけど一つ一つは面白い。あらすじからだと全然分からないんだけど結構こだわって書いてあるところが多くて、例えばヒロインは美術部で絵を描いてるんだけどそこの描写がやたら細かかったりする。ライト文芸っぽい話なら今年はこれが一番良かったです。

 

 

 

「ラブコメのような体験をしてみたい」ラノベを嗜むラブコメ好きは皆、一度はこう思ったことがあるだろう。ヒロインたちとイチャラブしたり、最高の友人と充実した学園生活を送ったり。だが、現実でそんな劇的なことは起こらない。義理の妹も、幼馴染も、現役アイドルな同級生もミステリアスな先輩も、男の親友キャラですら俺にはいない。ならどうするか…自分で作り上げるしかない!ラブコメに必要なのはデータ分析と反復練習、そして―。第14回小学館ライトノベル大賞・優秀賞受賞作。俺は、現実をラブコメ色に染め上げる! 

 

5位

 

この作品の主人公はデータ分析が得意な設定なんだけどこの作品自体が売れてるライトノベルを分析した結果出来た作品だと思う。ガガガ文庫の青春ラブコメの系譜は前作品に対して何らかのアンチテーゼをやってくることが多いんですけど、僕がそれらに対して不満だった部分を的確に潰してきてるのが好印象でした。シンプルに面白いのでそれなりに万人ウケするんじゃないかなぁ………

 

 

 

記憶喪失の俺はなぜかクラスメイト、幼馴染、女友達の美少女三人から毎日アプローチを受けまくってる。男なら誰もが憧れるシチュエーションの日々、羨ましいだろ? ……この中に俺を殺そうとした子がいる以外は。

 

4位

 

この作品を読む前にオスカーワイルドの幸福な王子は読んでほしいとだけ言っておく。残念ながら二巻打ち切りになってしまった本作だが、今年最も攻めたライトノベルはこれなんじゃないだろうか?文学作品を下敷きにしてくるライトノベルはたまにあるがここまで完成度の高い作品は滅多に見ない。少し惜しいところを上げればもう少しまとまりがある作品にできたらとは思うが。考察がしたいという人にオススメします。

 

 

 

未だ青い僕たちは (スターツ出版文庫)

未だ青い僕たちは (スターツ出版文庫)

 

 雑誌の読モをしている高3の野乃花は、苦手なアニメオタク・原田と隣の席になる。しかしそんな彼の裏の顔は、SNSでフォロワー1万人を超えるアニメ界のカリスマだった!原田の考え方や言葉に感銘を受けた野乃花は、正体を隠してSNSでやりとりを始める。現実世界では一切交わりのないふたりが、ネットの中では互いに必要不可欠な存在になっていって―!? 「なにをするのもきみの自由、ここは自由な世界なのさ」。学校という狭い世界で自分を偽りがんじがらめになっていた野乃花は、原田の言葉に勇気をもらい、自分を変えるべく一歩を踏み出すが―。

 

3位

 

ここ近年のスクールカーストを描いた作品で一番自由な話だった。小学生ぐらいの頃は誰と仲良くするかなんて事は考えずに誰とでも喋れたはずなのに少しずつ成長していくにつれて同じような人間同士が集まりだすようになってそれがカーストになっていく。そんな世界でここまで自由な愛をストレートに書いてくれたこの物語に愛を覚えるのは当たり前のことなのだ。

 

 

 

同窓会で東大生だとウソをついた浪人生の僕。もしウソがばれたら人生終了だな……。よし、死のう! 死んで異世界転生だ! 中二の時に書きためた設定のやつでお願いしまーす! ……と、そんなうまい話があるわけもなく、地獄の狭間で苦しむ僕の前に、銀髪ロリ悪魔のドロルフィニスが現れる。
 魂と引き換えに、この世の快楽の全てを教えてやると語る彼女。え、僕まだ死ねないの……? でも、それだったら! これまで僕を苦しめてきた奴らを見返してから死んでやる! 先ずはバイト先の女子大生、梨沙だ! イケメンに変身して、しゃぶりつくしてやるぜぇえええ!
 僕は自殺したいだけなのに、『尊死』するまでポンコツ悪魔が死なせてくれない!? って一体どんなラブコメなんだよ!

 

2位

 

ライトノベルファウスト。自殺と世界に対する命の価値についての話なんだけどそこまで哲学的要素は強くない。鹿路けりま先生の前作の『ぼくの妹は息をしている(仮)』よりはかなりマイルドになっており読みやすく、ギャグも前作よりキレキレで尖った作品というより単純にラブコメとして楽しめるのでもっと沢山の人に読まれてほしい。というか売れて僕に二巻を読ませてほしい。面白いので読んでください

 

 

 

双原灯火。幼馴染の妹で、同じ高校に入学してきた後輩でもある。自称・あざとい小悪魔系。自称・温もり大好きスキンシップガチ勢。そして「自称・先輩を慕う美少女」だそうだ。そんな小悪魔系(?)美少女後輩は、今日も早朝からわざわざ僕を迎えに来ている。ポイント稼ぎに余念がないな。
「せんぱい! 手! 手繋ぎましょう! 温もりくださーい!」
けれども僕は、僕だけは知っている。灯火が本当は照れ屋な子犬系で、手が触れるだけで赤面し、僕をからかいながらも内心テンパっていることを。小悪魔キャラは演技でしかなく、僕に近づく口実でしかないことも。そして――今はまだ、僕を好きではないことも。

 

1位

 

はっきり言ってこれ以外ないので多くは語りません。今年新作でこれだけが頭一つ抜けていたと確信を持って言えるから。ゼロ年代を現代に蘇らせたライトノベル。読んでみてください

 

 

 

 

 

新作の部分はこれで終了です。 今年も面白いライトノベルがいっぱい読めて満足でした!!!特に今年は前々から思っていたひとつ頭の抜けたライトノベルの新作を読めたので良かったです。

 

 

 

入れなかったけど面白かったやつ

 

異能

スパイ教室

さよなら異世界、またきて明日

こわれたせかいのむこうがわ

きのうの春で、君を待つ

育ち盛りの教え子がやけにエモい

処女のまま死ぬ奴なんていない、みんな世の中にやられちまうからな

ネクラとヒリアが出会うとき

いつか僕らが消えても、この物語が先輩の本棚にあったなら

あなたのことならなんでも知ってる私が彼女になるべきだよね

それでも、好きだと言えない

〆切前には百合が捗る

お見合いしたくなかったので、無理難題な条件を付けたら同級生が来た件について

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

魔女と猟犬

 

 

 

 

ライトノベルランキング10

 

1位りゅうおうのおしごと!

2位むしめづる姫宮さん

3位妹さえいればいい。

4位今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。

5位吸血鬼に天国はない

6位可愛いかがわしいお前だけが僕のことをわかってくれる(のだろうか)

7位未だ青い僕たちは

8位継母の連れ子が元カノだった

9位千歳くんはラムネ瓶のなか

10位嘘嘘嘘、でも愛してる

 

 

 正直今年のりゅうおうのおしごと!は頭一つどころか二つ三つは余裕で越えてたんで1位だけは速攻で決まりましたね。それ以外は悩んだけど5位までは読んでないのあったら是非読んでほしいレベルの作品です。個人的に読んでほしいのが『むしめづる姫宮さん』と『吸血鬼に天国はない』特に後者に関してはあんなに面白かったの褒められてるところ全然見なかったのでさすがにもうちょいね。。。今年は特にセカイ系ラノベがちょいちょい出てて話題になってたし(吸血鬼に天国はないはセカイ系の作品)

 

それと、今年は出ませんでしたけど『筺底のエルピス』を多少読んでくれる人が増えたのは良かったですね。去年のラノベ総括のブログでも読め~~と言ってたので。

 

それじゃ、今年はこんなところで。

 

来年は園生凪の新作が読めますように