たまにライトノベル

2021年ライトノベル10選

今年もやってきましたね。真このライトノベルが凄い(ファンタジー抜き)が発表される季節が。と、言うのは大言壮語なのですが。まあ、今年僕が読んで面白かったのを言ってきたいと思いますよ。よければ参考にしてくださいね

 

それでは

 

「私も桐島くんのこと、二番目に好き」

 俺と早坂さんは互いに一番好きな人がいるのに、二番目同士で付き合っている。
 それでも、確かに俺と早坂さんは恋人だ。一緒に帰って、こっそり逢って、人には言えないことをする。
 だけど二番目はやっぱり二番目だから、もし一番好きな人と両想いになれたときは、この関係は解消する。そんな約束をしていた。
 そのはずだったのに――

「ごめんね。私、バカだから、どんどん好きになっちゃうんだ」

 お互いに一番好きな人に近づけたのに、それでも俺たちはどんどん深みにはまって、歯止めがきかなくて、どうしても、お互いを手放せなくなって……。
 もう取り返しがつかない、100%危険で、不純で、不健全な、こじれた恋の結末は。

 

はい、三角関係。どうしようが三角関係なんすよ。昨今のライトノベルでは不純愛というのが流行っているのですが、正直な所シチュエーションだけ作ってるのが多い。ただ、これは細部の作りこみやサブキャラまでちゃんとしてて物語を創っている印象があった。あとがきで結論を考えてないってのは不安要素ではありますが、やってくれるでしょう。西条陽先生にはぜひラノベ界のWA2を目指してほしい

 

 

ゾンビが生者の肉を喰らう!死と絶望のロードムービー開幕!!

映画好きの青年・江渡木はゾンビが存在し、映画でよくみる出来事が起きる「ゾンビ映画の世界」に転移してしまう。ゾンビ化に抗体をもつ女性・アリスに出会った江渡木は、彼女に一目惚れした結果、「口説き文句」を言ってしまうのだった!
「きみがヒロインの映画を僕に撮らせてくれ!」
かくして二人はカメラ片手に世界を救うため旅立つことに!?

 

愛なんだよ。ゾンビ映画への愛、物語への愛。主人公である江渡木はゾンビ映画が好きでゾンビ映画の世界に転移して映画を撮っていくんだが、この作品は物語への愛で溢れている。もし君がワナビーなら いや、物語が好きなら是非これを読んでほしい。原点が、愛が""ここ""にあるから

 

 

脳の縫い糸――通称〈ユア・フォルマ〉ウイルス性脳炎の流行から人々を救った医療技術は、日常に不可欠な情報端末へと進化をとげた。
 縫い糸は全てを記録する。見たもの、聴いたこと、そして感情までも。そんな記録にダイブし、重大事件解決の糸口を探るのが、電索官・エチカの仕事だ。
 電索能力が釣り合わない同僚の脳を焼き切っては、病院送りにしてばかりのエチカにあてがわれた新しい相棒ハロルドは、ヒト型ロボット〈アミクス〉だった。
 過去のトラウマからアミクスを嫌うエチカと、構わず距離を詰めるハロルド。稀代の凸凹バディが、世界を襲う電子犯罪に挑む! 
 第27回電撃大賞《大賞》受賞のバディクライムドラマ、堂々開幕!!

 

SF。世界を構築した上でその世界に住んでる人間たち一人一人がどうやって生きているかってのを書くのははSFの醍醐味の一つだろう。新人とは思えない安定感のある作家だと思っているので頼むからハヤカワには行かないでくれ。電撃文庫でこれからも頑張ってください。。。

 

 

クソみたいな現実でも、推しさえいれば生きていける。
 俺の推しは、ネットで人気の音楽ユニット『満月の夜に咲きたい』のボーカル・U-Ka(ユーカ)だ。
 ある日、彼女の配信に映ったのは――学校一可愛い俺のクラスメイト、花房憂花(はなふさ ゆうか)だった。
 クラスメイトとはいえ、推しのプライベートにオタクが干渉しちゃ駄目だ!
 なのに、なぜか花房は俺に近づいてきて!?
「ちょくちょく、遊びに来るから」
 立場を超えた交流が始まり、俺一人だけだった放課後の部室が、推しと二人の空間になっていく。
 俺しか知らない推しの一面がだんだんと増えていき――
 人気ボーカルと、陰キャオタク。格差があった二人が近づく、両片想い青春ラブコメ

 

この作品を表面的に読めばくだらない両片思いのラブコメだろう。実際そういう描写が殆どだ。だがそれがアイドルのように偶像であったならば?表面がそう見えるだけで本質が違うとすれば?

『満月の夜に咲きたい』のニューアルバム、『オマージュ』に込められた真のテーマを全然わかっていない、お前らボンクラに捧ぐ

この書き出しはそのまま『押しが俺を好きかもしれない』にも繋がる文章だろう。どこかの誰かに伝わりますように、祈りを

 

 

「小沼くんの曲、私に一つだけくれないかな?」ぼっちの小沼拓人はクラスの天才美少女シンガーソングライターの市川天音と秘密の関係に。歌えなくなってしまった彼女の再起をかけ、楽曲制作の日々が始まるのだが!?

 

新人特有の粗さはあるけどテーマは上手くまとめてて良いと思いますね。個人的に評価したいのは作中曲が動画として上がってる所。小説でバンドものやろうとするとオリジナル曲はどうしても盛り上がりに欠ける部分だからこういうやり方でその問題を解消してるのは良い。作品ってよりスニーカー文庫が頑張ってたって話なんだけど……

 

 

同居相手は19歳 彼女が着てる制服は、ニセモノ。
若手のエース管理職として働く社畜 堂本広巳。日々に疲れていた広巳は、偶然から関係を持った少女 明莉が働く、ある店にハマってしまう――
「今日も……抜いてあげるね――」
そんな毎日の中、休日の職場トラブルで呼び出された広巳を待っていたのは、巻き込まれていた明莉だった!?
「私行くとこないんだよね―― お願い、一緒に住ませて!!」
突如始まった同居生活の中、広巳と明莉は問題を乗り越え、二人で新たな道へと歩み始める。
社畜×19歳の合法JK!?
いびつな二人の心温まる同居ラブストーリー、開幕。

 

今年の新作の一巻だけで言えばぶっちぎりで好きな作品。序盤からすげーしっくりくるのがとにかく凄いっすよ。この手の作品、ラノベでも今年アニメ化した作品がありましたけどちゃんと書かなきゃどんどんズレていく。その辺が考慮されててとにかく読みやすいです。一番泣いた新作なんで是非………

 

 

本格ラブコメ×本格ミステリ、開幕!

生徒相談室の引きこもり少女・明神凛音は真実しか解らない。
どんな事件の犯人でもまるで神様の啓示を受けたかのように解ってしまう彼女は、無意識下で推理を行うため、真実に至ることができた論理が解らないのだった。
伊呂波透矢は凛音を教室に復帰させるため、「彼女の推理」を推理する!

『継母の連れ子が元カノだった』の紙城境介が紡ぐ新たなる勝負作!

 

二巻まで読んで。一巻も普通におもろいんすけど二巻はライトノベルのミステリ(ライト文芸抜き)ならトップ3には確実に入るでしょ。僕の中では一番ですけどもね、はい。青春ものってよりはロジックが凄くてドミノ倒しみたいに謎が解けてくのが気持ちよすぎる青春ミステリ。今ライトノベルでミステリー読みたいならこれですよ。

 

 

「春は――無事、此処に、います」
 世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた――。
 いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。四季の神より賜った季節は『春』。母より授かりし名は「雛菊」。十年前消えたこの国の春だ。雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
 暁 佳奈が贈る、季節を世に顕現する役割を持つ現人神達の物語。此処に開幕

 

2021年のライトノベルでなに読めばいいか迷ったら取り合えずこれ読め!このラノ新作一位は伊達ではない(僕は好きではないが)(上巻は好き)普遍的な面白さがありますよ、多分

 

 

とある地方都市に暮らす冴えない高校生・紙木咲馬には、完璧な幼馴染がいた。
槻ノ木汐――咲馬の幼馴染である彼は、イケメンよりも美少年という表現がしっくり来るほど魅力的な容姿をしている。そのうえスポーツ万能、かつ成績は常に学年トップクラス。極めつけには人望があり、特に女子からは絶大な人気を誇っている――。

幼馴染で誰よりも仲がよかった二人は、しかし高校に進学してからは疎遠な関係に。過去のトラウマと汐に対する劣等感から、咲馬はすっかり性格をこじらせていた。

そんな咲馬にも、好きな人ができる。
クラスの愛されキャラ・星原夏希。彼女と小説の話で意気投合した咲馬は、熱い恋心に浮かれた。
しかしその日の夜、咲馬は公園で信じられないものを目にする。

それはセーラー服を着て泣きじゃくる、槻ノ木汐だった。

 

世間の評価ほど八目迷先生を評価してたわけじゃないんだけど『ミモザの告白』は本当に伸びると思うし今一番期待してるライトノベルの新作ですね。ジェンダーの話で時代が10数年程前だから今よりLGBTに対して無頓着な発言が相当あって読んでて苦しいところもあるけど、僕はそこよりもっと切実な恋愛関係の部分を押していきたい。純粋に読んでて胃がキリキリするような恋愛ものでもあると思ってるので

 

 

「え? マケインって誰のこと?」

クラスの背景である俺――温水和彦は、あるとき人気女子・八奈見杏菜が男子に振られるのを目撃する。

「私をお嫁さんにするって言ったのに、ひどくないかな?」
「それ、いくつの頃の話?」
「4、5歳だけど」

それはノーカンだろ。
これをきっかけに、陸上部の焼塩檸檬、文芸部の小鞠知花など、負け感あふれる女子たちが現れて――?

「温水君。女の子は2種類に分けられるの。幼馴染か、泥棒猫か」
「なるほど、大胆な分類だ」

負けてこそ輝く彼女たちに、幸いあれ。
負けヒロイン――マケインたちに絡まれる謎の青春が、ここに幕を開ける!

 

オリジナリティがある(ように感じる)作品ってのはごくまれにしか存在しない。特にライトノベルなんかはどうしてもキャラが似通ったりするからオリジナリティを出そうとすると突飛なことをするのが多いし僕はそれが悪いとも思っていない。ただ、この『負けヒロインが多すぎる!』はもっと些細なところで個性を出せている。唯一無二と呼べるようなラノベ作家はこういう作家を言うのだろう。面白いです。

 

 

 

今年は上半期が微妙で下半期に面白い作品が集まってた珍しい年でしたね。後半で巻き返してくれてよかった。

 

 

↓真ライトノベルランキグン

 

 

一位 りゅうおうのおしごと!

二位 継母の連れ子が元カノだった

三位 弱キャラ友崎くん

四位 僕が答える君の謎解き

五位 わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(ムリじゃなかった!?)

六位 筺底のエルピス

七位 推しが俺を好きかもしれない

八位 楽園ノイズ

九位 負けヒロインが多すぎる

十位 育ちざかりの教え子がやけにエモい

 

 

りゅうおうのおしごと!は実質殿堂入りなんで今年の一位は継母の連れ子ですね。おい、6巻読んだか?読んだらもうこれやん。6巻で""到達""してんだもん。してるよな?うん。してるな。してる。読んでね。アニメ見てから~は序盤対しておもんなトラップが仕掛けてあるのとワンクールで6巻までやろうとしたらその時点でカスのアニメになるのが確定しちゃうので出来れば今すぐ原作の方をね………

エルピスは、まーいつもと比べると少し微妙だったね。今までのレベルが高すぎたってのはありますけども。

ちなみに個人的に気に入ってるのは『育ちざかりの教え子がやけにエモい』と『ただ制服を着てるだけ』ですね。

 

来年に関しては弱キャラ友崎くんの年になるのでオタクは震えて眠れ。この時点で言っときます。ついにベールを脱ぐ時が来た。屋久ユウキ先生、来年はこのラノ一位獲りましょう。応援しています。。。

 

 

それではまた来年