たまにライトノベル

『りゅうおうのおしごと!第二部』 ご都合主義のその果てに

 

りゅうおうのおしごと!12 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと!12 (GA文庫)

 

奨励会三段リーグ
四段(プロ)になれる者は2人だけという苛酷な戦場。そこに史上初めて女性
として参戦した銀子は、八一と交わした約束を胸に封じ、孤独な戦いを
続けていた。八一もまた、新たなタイトルを目指し最強の敵と対峙する。
そんな2人を複雑な思いで見守るあいと、動き出す天衣。そして立ち
はだかる奨励会員(なかま)たち。
「プロになるなんて、そんな約束をすることはできない。けど――」
大切な人の夢を踏み砕くことでしか夢を叶えられない。それが将棋の
世界で生きるということ。
銀子が、創多が、鏡洲が……純粋なる者たちの熱き死闘に幕が下りる
奨励会編堂々のフィナーレ!

 

 

ネタバレあり

 

 

 

 

 

 

基本的には12巻の感想をやっていくつもりなんですが、他の巻に対する言及も多少入ります。

 

まず、第二部である五巻以降のりゅうおうのおしごと!という作品が、いや、この作品の根幹である主題がどこにあるのかということから語りたい。

他の人はどうか知りませんけど、ぼくは10巻辺りから"ご都合主義"にあるんだと思っていました。と言うのも、""正しい人間""が勝つからです。この作品は。

 

一つ例を挙げると4巻での祭神雷VS雛鶴あい、が一番わかりやすいですね。

あの対局は""間違っている""祭神雷を"正しい"雛鶴あいが負かすから。

ただ、正直ご都合主義も正しい人間が勝つと言うのも少し語弊があるんですよね。

だから僕が11巻まででこの作品を最も表しているなと思った言葉を置いときます

 

 

運命は勇者に微笑む

 

 

これは羽生善治九段の座右の銘らしいですが(出典を調べてない)このセリフは11巻でも使われてますよね。このセリフでこの作品の主題がそこにあるんだと確信しました。まぁ、その前の時点で八一くんがエルマーの冒険シリーズからご都合主義の尊さ学んだと言っていたのでほぼほぼの確信はあったんですが。

 

で、そんな作品だから悪い意味でご都合主義だと思ってる訳ではなく、いい意味でご都合主義を貫いている作品だと思っていました。だからこそ11巻での空銀子の覚醒はもっとご都合主義的でも良かったんじゃないのかなとかも思ってはいたんですけど。

 

そんなふうに思っていた中での12巻、まーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー見事にひっくり返されたね。

 

空銀子の最後の勝ち方も、鏡洲さんが負けたことも、坂梨さんが四段に昇段したことも

全部がひっくり返った。才能も努力も想いの強さも、勝負事には関係ない時が確かに存在しているんだと。それが三段リーグなんだと、それが誰かと勝ち負けを、命を懸けた勝負事なんだと、もちろん、今まででのりゅうおうのおしごと!もそれを描いていてはいた。

 

ただ、ここ一番では運命は勇者に微笑んできたのがりゅうおうのおしごと!だとぼくはそう思っていた。だからこの作品の本質がご都合主義にあり運命は勇者に微笑む、そう決めつけていた。

でも、三段リーグは、命を懸けた勝負事はそれを許しちゃくれなかった。

 

そんなに甘いものではないと。この作品は言う。でもそんな勝負事だから、こんなにも熱くなれたんだと

だからこそいつまでも将棋を好きでいたいと。鏡洲さんはそう言う

 

結局の所12巻は3巻、5巻の対比なんじゃねぇかなと思います。もっと大きい括りで言えば一部と二部との対比関係、人物に焦点をあてるなら、鏡洲さんと桂香さんの対比関係

12巻限定で言うなら、夢を叶えた空銀子と夢を叶えられなかった鏡洲さんとの対比関係

 

『報われない努力はない』この言葉のその先にあるものと向き合ってたんじゃぇのかなと。

辛香さんは辛くない仕事なんてなかったと言っていたが、まさにこの人は『報われない努力はない』の先にあるものと向き合って這い上がってきた人な訳じゃないですか

報われなかった先の人生を送り続けてきた人だから。

もちろん、この『報われない努力はない』という先にあるものの話を、りゅうおうのおしごと!は当然書いていた。

ただ、それは実体が無い。言葉は悪いがメインキャラとは言えないキャラをつかったりメインキャラにただそう言う生き方もあるとセリフで言わせてるだけで説得力に欠けてるのが現状だった。

悪いとは思ってないけどね。だからこその今までのりゅうおうのおしごと!だとぼくは思ってるので。

 

ただ、もう、りゅうおうのおしごと!にモブはいないんですよ。読んでる人間なら大体の人が納得してくれると思うんですけど、ここ数巻はぽっと出のキャラを一瞬で立てて掘り下げる。これが圧倒的に優れてる。正直怖いぐらいにね。

 

そんな今の白鳥士郎が辛香将司や鏡洲飛馬を書く。そりゃ説得力の鬼だよ。当たり前だろ。だからこそ12巻では『報われない努力はない』のその先を完全に書けていたと、ぼくは思っています。

 

 

いや、これなにが凄いって読んでる人間なら分かるでしょ。てか分かってくれ。頼む

ここまで"勝負事"と向き合ってる作品他に知らねぇよ。

 

一部ではここまで才能と向き合ってる作品はピンポンぐらいだなって思ってて、10巻でピンポンを超えて、12巻ではすべてを超越した。ぼくの中で。

単純な面白さで言えば12巻でヒカルの碁に並んだ。ネタでもなんでもなくマジだよ

 

話を戻します。『報われない努力はない』のその先を書いた12巻でしたけど、じゃあその先には呪いしかないのかと、そう問われれば、""違う""そう言わざるを得ない。

それは鏡洲さんと創多くんの関係を見れば分かると思う。報われなかった果てに救いがあることだってあるんだよ

そして、報われたからといって救いがあるわけではない。それは空銀子と九頭竜八一の関係性を見れば分かると思いますが。

てか、あとがき読めば書いてあるからね。白鳥士郎との解釈一致だよ。ここに関しては

 

ま、りゅうおうのおしごと!の二部はそんな感じの話だったんじゃねぇのかな?

結局の所さ、人生なんだよね。りゅうおうのおしごと!は。

棋士の)人生、なんだよ。

12巻は最高の作品だったと思ってるよ。今までで一番ね。

 

 

本当はソフトの話とか二部の才能の話とかもしたかったんだけど。。。

他の人がやってるだろ。

まぁでも正直さ、ソフトに関しては三部でもやるでしょ。多分。だから今書くのは躊躇われたんだよな

 

 

ここからは鏡洲さん素敵!抱いてーーみてぇな感想をちょっとだけ書いときます。。

 

いやさぁ、、、あのさぁ、、、、鏡洲飛馬カッコよすぎひんか?おい、オタク、おい、聞け。最高だって言ってんの!!!!!!!!!!

圧倒的にりゅうおうのおしごと!で一番好きなキャラでしょ。。

思い出しただけで過呼吸になりそうだわ。。あのさ、、、創多くんとのあまりにもカッコよすぎる所。。。。。。。。。。。もいいんですけど、その後のトイレな、ああいうところがさぁ………まーーーーーじで最高だよね。

創多くんとの関係性も含めて発狂もんだわな。あのラスト読んでて冗談抜きで気が狂いかける寸前だったし。

 

はい、次

辛香さんさぁお前さぁ。。。この男もマジでいい加減にしてほしいよね。泣くに決まってんだろ。ボケが。。ピエロがよ。この男は幸せになってくれないと俺が許さん。

辛香将司、幸せになれ!!!!!!!!!!

 

はい、次

夜叉神天衣、お前萌えすぎ。俺のお嫁さんになってほしい。ガチで。

 

はい、次

空銀子、こいつマジでどうすんだよ。。ご都合主義を捨てたりゅうおうのおしごと!でこの女が八一くんに追いつこうとすんの不可能だろ。

何とかしろ空銀子、お前が泣くのは俺が許さん。死んでも何とかしろ。頼むぞ空銀子

 

はい、次

九頭竜八一、人外すぎんだろこいつ。まじで好きすぎる。才能お化けがよ。

空銀子を泣かすな、お前は。

 

終わり!!!!!!終了!!!!!!!!!!!

りゅうおうのおしごと!は最高のライトノベルです!!!!!!!!!!!!!