たまにライトノベル

『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』と『弱キャラ友崎くん』と『千歳くんはラムネ瓶のなか』

 

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

千歳くんはラムネ瓶のなか (ガガガ文庫)

  • 作者:裕夢
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2019/06/18
  • メディア: 文庫
 

「五組の千歳朔はヤリチン糞野郎」―学校裏サイトで叩かれながらも、藤志高校のトップカーストに君臨するリア充・千歳朔。彼のまわりには、外見も中身も優れた友人たちがいつも集まっている。圧倒的姫オーラの正妻ポジション・柊夕湖、努力型の後天的リア充・内田優空、バスケ部エースの元気娘・青海陽…。仲間たちと楽しく新クラスをスタートさせたのも束の間、朔はとある引きこもり生徒の更生を頼まれる。これは、彼のリア充ハーレム物語か、それとも―?新時代を告げる“リア充側”青春ラブコメ、ここに堂々開幕!!第13回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞。

 

 

 

 

なぁ、この三つそんなに並べて語ることあるか?いや、確かに同じガガガ文庫で青春ラブコメっていう共通項はあるんだけどさ、そんなか?本当に並べて語ることあるか?

読者がそういうことを言い始める前から、ガガガ文庫は三つまとめて同じ所にカテゴライズしてたりさ。某ラノベライターもカテゴライズして俺ガイルへのアンサーとも言えるだとかなんとかちょっと前に言ってたり。勿論読者でも言ってる人はいますよね。で、それって本当か?僕はそこまでではないだろ、ぐらいに思ってますけど。まぁでもそんなに言うなら無理矢理関連付けてあーでもないこーでもないってやつ、ちょっとだけやるわ。やる。やります。(作品を並べて語ること自体は滅茶苦茶好きなオタク)

 

 

 

ネタバレあり

 

 

 

 

 まず俺ガイルからだよね。言わずと知れた青春ラブコメの金字塔ですね。主人公の比企谷八幡が捻くれてて地の文が面白い奴ね。取りあえず俺ガイルをアンチリア充として雑に捉えるけど、これのアンチテーゼとして出てきたのが弱キャラ友崎くんだね。この二つに関しては関連性があると思ってるんだよね。これに関しては前にちょっと書いたことがあるからそっち読んで。まぁ、適当に言うとアンチリア充側に立ってる俺ガイルとリア充側に立ってる弱キャラ友崎くんっていう構図。

 

この二つに関しては弱キャラ友崎くんの七巻を読んで気付いたことがあったので言うけど、まぁ、アレだね。僕は内向的な俺ガイルと外交的な弱キャラ友崎くんっていうものだと思ってたんだけど、普通に考えたらさ、これ、逆だったんだよね。七巻読むまで気づかなかったのがバカみたいな話なんだけど、俺ガイルってのはただひたすらに他者の話をしていた作品なのに対して、弱キャラ友崎くんは自己の話なんだよ。分かってるか?ぼくは割と最近気づいたんだけど。。。

 

弱キャラ友崎くんが、本当にやりたいことを求めてる物語。なのはまぁ、読んでれば分かると思うんだけど、これってめっちゃ内向的だよね。正直三巻で気づいても良かったんだけど、七巻読むまで気づかなかったよ。なんでって、そりゃ、リア充を目指す物語だからだよ。他者とかかわりあって自らの地位を上げるって外交的でしょ。でも、本質は違う。自己が何を求めているかを探す物語なのが弱キャラ友崎くんっていう作品だから。日南葵の存在が顕著だけど。この女、間違ってはないけど、空っぽだろ。そういう事。

だからこの作品は外を向いてるようで実は内に向いてる。

 

逆に俺ガイルは内に向いてるようで外に向いてる。比企谷八幡の性格とか地の文が相まって内に向いてる気がするけど、本質的には他者と言語を描いてる。

ここでちょっとエロゲーの話するけど、あ、エロゲーの話もあるから多少そっち関連でもネタバレあるかも。

で、俺ガイルの作者である渡航がエロゲのオタクであることはあまりにも有名であるが、その中でも俺ガイルでは田中ロミオの影響が強い。。

この田中ロミオが、阿保みたいに他者の話を書いてるシナリオライターで、俺ガイルもその影響下にある。まぁ俺ガイルの場合は言語とか云々とかいろいろあるけど、まぁそこは置いといて、そんなこんな事情もあって俺ガイルは弱キャラ友崎くんと違って他者の話が後半ではメインになってくる。

説明はまぁ、いらないだろ。

 

ちょっと話が飛ぶけど、俺ガイルより後に出てきたのが弱キャラ友崎くんだけど、本来逆であるべきなんだよな。いや、だってさ、普通に考えたら、自己の話をやった後に他者の話をするのが妥当だろ。素晴らしき日々の後にサクラノ詩が来るみたいにね。(どうでもいい)

そう言う意味でもこの二つの作品はおもしろいと思う。

 

じゃぁ千歳くんはラムネ瓶のなか。はどうなんだよって話だよな。これ、だよね。ぼくが絡めづらいって思ってるのは、いや、俺ガイルとも弱キャラ友崎くんともちょろっと絡めること自体はできるんだけど、なんか自分の中であんま深く行かないんだよ。

 

まぁ、俺ガイルから行くけど、あー、エロゲだよ、エロゲ。。なんかちょっと前に出てた対談記事かなんかで千歳くんはラムネ瓶のなかの作者がエロゲやるようになってからラノベ書くようになったって話してたでしょ。たださ、エロゲっても俺ガイルは本質のエロゲの話だけど、チラムネは主人公がエロゲ主人公ってだけなんだよな。テンプレートなハイスペックで普段はおちゃらけてて、でもやるときはやる。っていう、アレ。

これで過去に重いものを抱えてるってれば120点でエロゲ主人公なんだけど。

もうちょい無理矢理絡めるならば、文章がラノベ以外からの影響が濃いって所か。大した事でもないけど。。。

 

 

弱キャラ友崎くんに関しては、まず理屈っぽ過ぎるところから行くか。。あー弱キャラ友崎くんってめっちゃ理屈っぽい作品なんだよね。まぁ僕が思ってるだけならそれでもいいんだけど。まぁ、でも、千歳くんはラムネ瓶のなかの一巻ではこの理屈っぽさに対してアンチテーゼ込められてたと思うよ。ファッションの下りで、ごちゃごちゃと気にしなくても、自分に合う服を着ればいい、みたいなこと言ってたと思うんだけど、アレってごちゃごちゃとファッションについて語ってた弱キャラ友崎くんへのアンチテーゼだったと思ってる。この部分だけならともかく弱キャラ友崎くんって作品そのもの自体が馬鹿みたいに理屈っぽい作品だから余計な。どこが理屈っぽいってのはめんどいから説明しません。

 

後は、そうだな。本当にやりたいことのその先を描いてるって事か。弱キャラ友崎くんが本当にやりたいことを書いてるってのは言ったと思うし。読んでれば分かると思うけど、千歳くんはラムネ瓶のなかはその先を描いてる。本作の主人公である千歳朔は自らが望むものを知っている。一巻ではそれをコンパスと呼んでいる。

 

「『自分らしく生きよう』ってのはありがちな美辞麗句だが、今いる場所を、歩いてきた時間を、行く先を、そして進みたい道を、自分のものさしで測れる奴はそう多くはない。ほとんど人間は他人の位置を知るためのコンパスと高度計しか持ち合わせがないのさ」

「だから他人を見て、あっちの方が正しい位置なんじゃないかと羨んだり、安心を得るために自分と同じ場所まで引きずってこようとしたり、周りの様子ばかり窺っている。そうしていないと落ち着かないんだ。基本的に人ってのは単独で歩んで成功するリスクをとるよりも、失敗するときはみんなと一緒にという保険を求める生き物なんだろうよ」

「だけどなぜかときどき、自分の正しい位置を知っているとしか思えないほど堂々と、前を向いて進んでいく人種がいる。お前や水篠のようなタイプだな」

「そういうやつに遭遇したとき、人の反応はさまざまだ。向かう方角が似ているからと連れになる、無条件に信じて取り巻きになる、離れたところから様子を探る、きっとあいつらは間違っていると願って距離を取る。そうして生まれたのがカーストってやつさ。集団の在り方は、否が応でも先頭に立って進む人間によって定義されていくもんだ」

 

「......蔵センは、他の大人よりも正しいコンパスを持っているように見える」

 

「まさか、そんなものは誰も持っていない。もちろん、お前たちだってな。違いは自分のコンパスこそが正しいと信じられるかどうか、その一点だけさ」

 

 

 

 正直、弱キャラ友崎くんもやりたいことのその先を描く可能性が無いとは思えないけど、今現段階で言えば千歳くんはラムネ瓶のなかの方が先を書いてると言ってもいいんじゃない?弱キャラ友崎くんが自己を知る物語なのだとすれば千歳くんはラムネ瓶のなかは自己を知ったうえでその正しさはあるのかを問うてる物語と言えるだろう。

 

ちょっと時系列を整理する。

田中ロミオが他者の話をやって、その次に田中ロミオに影響を受けた俺ガイルが他者と言語の話をする。その次にそれにアンチテーゼをぶち込んだ弱キャラ友崎くんが自己の話をする。それに対抗して千歳くんはラムネ瓶のなかが自己の本質のその先を描く話をする。

............あんま繋がってる気がしないだろ。。。

 

個人的に俺ガイルと弱キャラ友崎君はつながるけど、俺ガイルと千歳くんはラムネ瓶のなかは本質的につながらないんだよな。そもそもの話、俺ガイルに関しても最近ちょっと考えが変わったので、今の弱キャラ友崎くんとはつながり自体はあると思ってるけど本質的には違うと思ってる。俺ガイルが他者と言語の話なのは間違いないと思うけど、最終的には実存の話だったんじゃねぇのっていう。気持ちになってるから。そうなってくると、本質的には違う話だよなぁと。。

 

こんなもんかな。本当はもっと理論立てて長くやった方がいいんだろうけど、スクールカーストとか表面的な事とかも書いたりしてね。まぁ、でも、無理。できる人がやってください。

 

 

てか、三作品のうち二作品が完結してないのにこんなことやろうとしても無駄だよね。

ま、僕は好きだから勝手にやるけど。それはそれとしてあんま意味ねぇなとは思うよ

 

『ガガガの青春ラブコメ無理矢理関連付ける』

 

終了!!!