たまにライトノベル

『今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。せんぱい、ひとつお願いがあります』 あの日流れ星に願った事と、願わなかった事

 

こんなに素直な女の子に慕われて、まさか1ミリも嬉しくないんですかっ!?

双原灯火。幼馴染の妹で、同じ高校に入学してきた後輩でもある。自称・あざとい小悪魔系。自称・温もり大好きスキンシップガチ勢。そして「自称・先輩を慕う美少女」だそうだ。そんな小悪魔系(?)美少女後輩は、今日も早朝からわざわざ僕を迎えに来ている。ポイント稼ぎに余念がないな。
「せんぱい! 手! 手繋ぎましょう! 温もりくださーい!」
けれども僕は、僕だけは知っている。灯火が本当は照れ屋な子犬系で、手が触れるだけで赤面し、僕をからかいながらも内心テンパっていることを。小悪魔キャラは演技でしかなく、僕に近づく口実でしかないことも。そして――今はまだ、僕を好きではないことも。

 

 

 

涼暮皐の新作。僕はこの作者の作品はワキヤくんの主役理論の1巻しか読んだことがなかった。まぁそれでも、この作者の作品がどういうものなのかは何となくインターネット経由で知っていた。(ファンの間では胃痛と呼ばれている)で、この作品が出る前からツイッターにて作者や読者がそういう作品であることを匂わせていた。正直僕はそれが好きじゃなかったです。ラノベだけどラノベじゃない、みたいなの好きじゃないんですよ。でも実際に読んでみて思ったのは、これをラブコメと呼ぶのはちょっとどうなのかなってのは確かにありました。(それはそれとして異端アピールは好きではない)

 

ただ、定義論も作者があんまり好きじゃないとかも、""一番目に大切なもの""じゃないんですよ。本当に......本当に一番目に大切なことは面白いかどうかってことじゃないですか。そこを無視したら僕たちが何のために物語に触れているか分からなくなっちゃいますよ。それだけは、僕たち読者が無くしちゃいけない、大切なものなんだって思います。どうしようもないことはあるし、それに対してあまり強く否定も出来ないですけど、そういう気持ちをなくさないようにする意志だけは持ってなきゃいけないものなのかもしれません。読者が物語に真摯でいようとするならば。

 

 

 

ここより下ネタバレありです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

最高に面白かったので感想を書こうと思ったんですけど、このラノ言語化がめちゃくちゃ難しくないですか?僕の知能じゃふわふわした感想にしかならないけど許してね

 

舞台は現代ですけど、だいぶファンタジー色が強かったラブコメでしたね。読み終わってみれば、割とありがちな、作品だと思うんですけど読んでる最中は、そういうの全然感じさせないのはめちゃくちゃ凄いですよね。所謂、物語の初期の段階でキャラの関係性がもうすでに構築されてる作品なんですけど、情報の提示が上手いから話の流れが二転三転するんです。だから読んでて一体自分は何を読まされているんだろうっていう感情があったんじゃないのかなぁなんて思ってます。それと話の流れが二転三転することによる反転が上手く使われてるのは素直に感嘆しました。

 

一番目に大切なものと二番目に大切なもの、生と死、誰が誰を忘れているか/覚えているか、上から流れる星と下から流れる星

 

僕が分かったものだけでこれだけあるんですけど、作品内でこんだけ反転があるからこそ最後の逆さ流れ星の丘があまりにも綺麗なんですよね。重力に逆らうのって神様への反逆感あって良くないですか?(中学生)

何も与えられる必要はないし、だからこそ何も奪わせないってシーン、天気の子の「神様、お願いです。これ以上僕たちになにも足さず、僕たちからなにも引かないでください」めちゃくちゃ連想しませんでした?僕はしました。というか君の名はみたいな要素もあったし、全体的にゼロ年代感あったように思いましたね。

まぁゼロ年代のオタクじゃないので、保証はしかねますが。

 

後、個人的に一番やられた!って思ったのは、灯火が本当に願っていたことでしたね。僕は。あのー猿の手ってあるじゃないですか?。物語シリーズ西尾維新の作品です)にも出てくるアレですよ。原作は読んでなくても(僕も読んだことない)色んな作品で出てくるから知ってる人は多いと思うんですけど、雑に説明すると、願った事が悪意に満ちた叶い方をするっていうやつなんですが、これも途中までそれなんですよね。灯火がお姉ちゃんを甦えらせる事を願ったから、それに対して悪意のある叶え方をされるっていう。

 

正直僕これが本当に好きじゃなくて、しかもそれを説教絡めて使ってくる作品が苦手でおさいも(この作品の略称)でもそういう使われ方されてて嫌だったんですよ。まぁそれよりも圧倒的に好きが勝ってたからあんまり気になってなかったんですけど、それが実は願い事自体が違ってたものだったて明かされたときは、やられた!てなったし、リアルに声でましたね。まぁその後本当に願ってた内容で絶句したんですけど。

生きたいだとか死にたいだとか、反転のさせ方がやっぱりこの作品の胆だと思うんですよね。本当に上手くて、流れ星だったり生と死だったり一番大切なものと二番目に大切なものだったりこれらの三つが最後に全部襲ってくるの、余りにも読者の心の動かし方が上手過ぎませんか?マジで最高だったよ。

 

 

 

あの日流れ星に願った事と、願わなかった事

 

まとまんない感想を垂れ流してきたけど、アレだね。変わっていく大切なことを抱えてうだうだ考えながら毎日生きてくのも案外悪くないんじゃないの?めんどくさいけど、そのめんどくささ抱えて生きたいと思ったり、思わなかったりして生きたり死んだりしていくのも

 

 

めんどくさいね。本当に。